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夏期暁天講座

 去る8月4日(土)当山におきまして第31回夏期暁天講座が『水』をテーマに行なわれました。
 “暁天”は“ぎょうてん”と読み、明け方のことを指し、先人の言葉に耳を傾け、朝粥で夏の弱った胃腸に活量を与え、心身共に健やかに過ごす仏教講座であります。お釈迦さまが明け方にお悟りを開かれたことに倣(なら)い、全国各地の寺院で開かれる夏の朝の行事であります。

 1限目。当山世話人でもあります、都市拡業株式会社社長の田尻 惠保(やすお)氏に「水 ―最も身近で最も不思議な物質―」の題してお話しいただきました。同社は水環境エンジニアリング企業として名高く、水に関する様々な特許を所得されており水道管の赤錆対策など世界に展開してます。同氏は、社長として辣腕を振るうだけでなく、給水管劣化防止の新技術として海外産業人育成協会(HIDA)などでセミナーを行ってきたほか、給水管の赤錆・赤水対策などについて学会発表や原稿執筆をなさっている『水』のスペシャリストであります。講座では、利き酒ならぬ利き水などを交え、私たちにも分かりやすいよう平易にお話しして頂きました。
 
 2限目。裏千家準教授 大山 宗公(そうこう)先生より「茶と水」と題しましてお話を頂戴いたしました。茶の歴史や千家について丁寧にお話しいただき、京都や横浜の名水についてもご教授いただきました。また、お弟子さんたちから参加者全員にお茶を点てて頂き、和三盆のお菓子と共に美味しくいただきました。
 
 最後に、朝粥を頂戴して猛暑を乗り切る糧としていただきました。
 皆様の来年のご参加を心よりお待ちしております。