2024/02
立教開宗
一心に専ら弥陀の名号を念じ、行住坐臥に時節の久近を問わず、念々に捨てざる者、これを正定の業と名づく、彼の佛の願に順ずるが故に
大意:【心を一つにしてひたすら阿弥陀佛の名号を念じ、立ち居起き伏し、時間の長短を問題とせず、片時もやめない、これを正しく定まった行いと名づける。それはかの阿弥陀佛の本願に順っているからである。】
立教開宗とは「釈尊の説法を聖道門・浄土門に分類して浄土宗を立てること」の意。ここでは法然上人が浄土宗を信仰していくいきさつをいいます。
本年は宗祖法然上人が浄土宗を開いて850年。この勝縁に巡り会い結縁したこと大変有り難く思います。法然上人は時代に合った教えをもとめ善導大師の『観経疏』「散善義」中の開宗の御文「一心専念弥陀名号行住坐臥不問時節久近念念不捨者是名正定之業順彼佛願故」の一文を見出され、さらに善導大師との夢中での「二祖対面」によって専修念仏に帰入し浄土宗を開宗されました。時に承安5年(1175年)の春3月14日と伝えられています。
浄土宗開宗から、この教えを現在に伝えてくださった各時代の諸上人に報恩謝徳の思いでございます。
この教えを次の時代につなげていくことが2033年の宗祖降誕900年、次の開宗900年、開宗1000年に向けて私たちができるせめてもの誓いではないでしょうか。
(宮林 成彦)