小春日和が続いた霜月を経て師走を迎えました。暖冬と言われていますがやはり寒さは厳しく感じます。

 この一ヶ月は、まさに走りきる日々でありまして、納めのお参りやお釈迦様がお悟りを開いた成道会、また積もった塵や埃を落とすお身拭い・煤払い等々大晦日まで朝に夕べに駆け回ります。昨今は、日頃から行き届いていることから大掃除をなさらないご家庭も多いようですが、普段出来ない仏さまのお顔をきれいな布で拭かせていただきますと、にっこりされたような明るい表情に見えてきます。やはり、一年間積もり積もった心の垢を祓い清めることは人として生きていく上で大切なことですね。
 
 年の瀬の風物詩である除夜の鐘も、人間が持つ煩悩を取り去るため、街中に響き渡る重厚な音で一年を締めくくることは皆さまもご存じの通りです。京都 浄土宗総本山知恩院の梵鐘は有名で、今から340年ほど前、高さ3.3メートル、直径2.8メートル、重さが70トンという巨大なものとして創建され、なにしろあまりの巨大さゆえに戦時中供出を免れたという逸話があるくらいです。

 京都方広寺、奈良東大寺と日本三大梵鐘と呼ばれていて、この鐘の音が聞こえるのは、4月の法然上人のご命日法要の御忌と大晦日だけで、親綱1人・子綱16人で撞くそうです。これは、お釈迦様と十六羅漢になぞらえた数で、皆の息を合わせなくては出来ないため毎年12月27日に試し撞きも行います。誰でもが撞けるわけではないところも「有難さ」が感じられますね。
 
 一年を省みながら、懺悔滅罪と来たるべき年の平安を願い、鐘の音に思わず手を合わせる。己の煩悩を自覚し愚者であることに気づき、お念仏を唱える。底冷えの空気を包み込む鐘の音に、一年間を締めくくり新しい年への希望をお念仏と共に開いていきたいものです。

 一年間ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。
 




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