露の世は露の世ながらさりながら

 早いもので半年が過ぎ去り、今年も多くの「あらみたま」をお迎えします。かけがえのない方とのお別れに、未だ悲しみの癒えない気持ちをいだいてお参りするお盆。頭の句は小林一茶が、長女を亡くしたときに詠んだものです。生まれた翌年に亡くした娘への想いと、この世の儚さが伝わってくるようです。

「露のように消えてしまうこの世の中ではあるけれど…」父としての我が子への想い、また家族、人生に対する感情が溢れ出ていますね。当時は病いによって命を落とすことが多かったのですが、現代では思いもかけない事件や事故に巻き込まれて、尊い命が失われることもあるようです。亡くなられた方の無念はもちろんですが、残されたご家族の悲しみは生涯癒されるものではないでしょう。この句は秋の句と言われておりますが、降った雨の雫が、翌日の陽の光にあたりたちまちなくなってしまうこの時季に、生きとしいけるものの慈しみの心を如実にあらわしてくれる言葉だと感じました。一茶と同郷であった先代も、たびたびこの句を感慨深く法話で話していたことも、懐かしく思い出されます。

 お盆を迎え、汗をいっぱいかいて遊んだこと、夜の花火や肝試し、照り返しの強いお墓で嗅いだお線香など、小さい頃の思い出や家族の絆がよみがってくるようです。

 人としてこの世に生を受けた命のつながりを感じながら、ご先祖さまにお参りいたしましょう。

 




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