現代に生きる私たちは、それぞれの生活環境により千差万別の暮らしをし、それぞれの目標を目指して努力をしていますが、そうした生活上の差異とは別に、万人共通の願いとして、この世の中をいかに人間らしく生きていくかということ、自分の力と責任において、理想的な人間の在り方を求めているのではないかと思われます。
 この自分の理想を求めて私たちは励み、時として悩み、怒り、悲しみながら暮らしていますが、そうした気持ちが強ければ強いほど、物に対する執着心が生じ、苦しみが生まれ、遂には罪を犯したりしてしまいます。この苦しみの根源である執着心、つまり煩悩に囚われることのない自己を形成出来るとすればこれほどの幸せはないでしょうが、私達人間はみな凡夫(仏教の道理を知らない世俗の愚か者)であります。

 現代の私たちは、豊かな生活に慣れ、物に甘えてしまっているため、少し不足が生ずると大騒ぎとなり不満が募ってしまいます。慣れるというものは怖いもので、物があるということが当たり前のようになってしまい、無ければ不平のみが残ります。本当の物の価値は、その物自体ではなくて心であることを私たちは忘れてしまっているのではないでしょうか。自分自身に置き換えてもそうでしょう。若ければ若さに甘え、健康であれば健康の体を過信してしまいます。二度と戻ることの出来ない時間や、治ることの無い病があることを、まるで他人事のように見てしまいます。

 人生は一期一会であります。
 新しい年をお迎えし、今一度人生の原点に返って人間の生き方を考え、一瞬一瞬を大切にし、今を一生懸命生きたいものであります。

合掌

(谷口明信)




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